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2026.07.03

トルコ出身のピアニスト、ジャン・チャクムルさんが初めて日本を訪れたのは2018年のこと。第10回浜松国際ピアノコンクールに出場し、弱冠20歳にして第1位と室内楽賞を同時受賞。一躍、大きな注目を集める存在となりました。
浜松での優勝をきっかけに、国内の主要なホールでの公演やオーケストラとの共演を重ね、日本を「自身のキャリアにおける特別な場所」として大切にしているチャクムルさん。その原点となった浜松での公演にあたり、カワイのピアノと日本への思いを語っていただきました。
浜松からスタートしたキャリア
私は2018年に浜松国際ピアノコンクールに参加し、優勝を手にしました。私のキャリアは、まさにそこから始まったと言えます。優勝後すぐに、ファーストCDを録音するためアクトシティ浜松に再び戻ってきました。その収録こそが、国際的な意味での本当のブレイクスルーになったと思います。今自分がやっていることのすべては、ここが原点です。
カワイのピアノとの出会い
コンクールで私が選んだピアノは、カワイでした。そのときに初めてShigeru Kawaiのコンサートグランドピアノを弾き、これは素晴らしい楽器だと感じました。

その数ヶ月後、ファーストCDの収録のために再びアクトシティ浜松を訪れた際にも、コンクールの時と同じShigeru Kawaiが会場にセッティングされていたんです。それ以来、カワイとは互いに信頼し合い、高め合う関係を築いてきました。
カワイの楽器は私の演奏ととても相性が良く、周囲の人から「カワイで弾くときは、他のピアノとは違う弾き方をしているね」と言われるほどです。
「敬意」の国、日本
日本は、私にとってとても親しみを感じる国です。居心地が良く、自然体でいられます。
日本の文化は「敬意(リスペクト)」という言葉に集約されると思います。命あるものにも、そうでないものにも、音楽にも、芸術にも、あらゆるものに対して敬意が向けられている。その精神は、コンサートホールの音響設計の素晴らしさだけでなく、楽器づくりからも強く感じとれます。構造のクオリティの高さや、一つひとつの楽器を仕上げるときに注がれる丁寧さは、他では出会えないものです。

ものを慈しむ文化
日本は、大量消費型の社会とは対極にあると感じます。人々は自分の持ち物をとても大切にします。国全体がとても先進的であるにもかかわらず、古いものがたくさん残っている。それは、きちんと手入れされているからこそ、古さを感じさせないのだと思います。
たとえば、地方の小さな都市でタクシーに乗ると、40年前の車が新品同様の状態で走っているのを見かけます。楽器も同じで、コンサートホールにある30年前のピアノが、完璧な状態で保たれていたりするのです。コンサート用の楽器としては例外的に古いはずですが、まったくそうは感じさせません。

ものを敬い、丁寧に手をかけ、長く生かす心。私がカワイのピアノに惹かれるのも、楽器づくりの根底にこうした哲学が息づいているからだと思います。
伝統的な職人技と現代の技術が融合したShigeru Kawai。そして、ものを敬い、慈しむ日本の文化。チャクムルさんの言葉は、その二つが調和して生まれる音楽の素晴らしさを物語っています。
Shigeru Kawaiとともに歩み続けるチャクムルさんの、これからの活躍にぜひご注目ください。
本編動画もぜひご覧ください。
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