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2015.09.15
日本音楽コンクールをはじめ、国内外の国際コンクールで多くの入賞者を輩出する「ロシアン・ピアノスクール in 東京 2015」が8月8日から8日間にわたって開催されました。
チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院の指導陣から、音楽監督にセルゲイ・ドレンスキー教授、講師としてピアノ科学科長でドイツ音楽にも精通するアンドレイ・ピサレフ教授と、フランス音楽にも造詣の深いパーヴェル・ネルセシヤン教授を迎え、希望楽曲の徹底指導を受ける短期集中レッスンが「ロシアン・ピアノスクール in 東京」。13回めとなる今年もカワイ表参道「パウゼ」で、受講生24名がモスクワ音楽院からの招聘学生のアルセーニー・タラセーヴィチ・ニコラーエフさんとともにレッスンを受講しました。
期間中、日替わりで開催される恒例の講師コンサートも人気を博しました。ネルセシヤン教授はオール・ベートーヴェン・プログラムとなる「ソナタ第2番」「創作主題による32の変奏曲」そしてソナタ第14番「月光」の3作品を演奏。ピアノを自在に歌わせ、繊細で、ベートーヴェン特有の荘厳な音楽を聴かせてくれるネルセシヤン教授は、息を潜めるかのような弱音から、低音の盤石な強音までダイナミックレンジの幅が広く、特に弱音部分での多様な音色で会場を惹きつけます。
ピサレフ教授は、凛としたたたずまいの中に、時折そこはかとない寂寥感をにじませる弱音の美しさでシューベルト「ピアノ・ソナタ イ短調 D.784」を、そして後半のショパン作品では、のびやかで自然な歌心にあふれる「ノクターン ホ長調 op.62-2」に始まり、大胆で勢いのある演奏の「幻想即興曲」や、玉虫色に変化する響きの彩りの「幻想ポロネーズ」を演奏。受講生や聴衆は教授陣の素晴らしい演奏に酔いしれました。
最終日にはそのフィナーレとして、客席後方に教授陣が陣取る中、高校1年生の横井舞菜さんら、選抜された6名による演奏会が開催されました。モスクワ音楽院を体感したこの1週間。貴重なアドバイスを吸収した受講生の皆さんは凛とした表情で演奏に臨み、そして演奏後には盛大な拍手でレッスンの手応えを得ました。