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2024.07.25

SK-EX 納入レポート 広島文化学園大学 多田先生、飯島先生にお話を伺いました

(公財) ロームミュージックファンデーション(京都市)が行う、演奏家を養成する教育機関へのピアノ寄贈事業において、広島文化学園大学が対象校として選ばれ、2024年3月カワイフルコンサートグランドピアノ SK-EX が納入されました。

新年度が始まった5月某日、広島市の長束キャンパスにて、学芸学部 音楽学科 准教授 多田 愉可(ただ ゆか)さん、同ピアノ講師 飯島 聡史(いいじま さとし)さんにお話を伺いました。

 

広島文化学園大学 多田准教授(手前)、飯島講師(奥)
広島文化学園大学 多田准教授(手前)、飯島講師(奥)
広島文化学園大学 多田准教授(手前)、飯島講師(奥)
広島文化学園大学 多田准教授(手前)、飯島講師(奥)

 

――― この度、カワイ SK-EX や Shigeru Kawai グランドピアノ が納入されましたが、カワイピアノを選ばれた経緯をお話しいただけますでしょうか?

 

多田先生 例年開催している広島文化学園大学 学芸学部音楽学科の卒業演奏会や、広島市の新人演奏会の会場のピアノがShigeru Kawaiであることがきっかけで、この度大学ではSK-EXを選ぶこととなりました。

私自身、Shigeru Kawai のタッチと音色が好きでずっと使わせていただいており、自分がイメージした音が表現しやすいピアノだと思います。耳に優しい音ですね。

音楽ホールのカワイSK-EX
音楽ホールのカワイSK-EX
音楽ホールのカワイSK-EX
音楽ホールのカワイSK-EX

 

――― ピアノは、今年の1月、カワイ竜洋工場(静岡県磐田市)にて多田先生にお選びいただきました。その際、3名のコンサートチューナーによる3種類の SK-EX をご用意させていただきましたが、弾き比べたピアノのご感想、また選んだ理由などお聞かせいただけますか?

 

多田先生 並んでいた3台は、それぞれ全く異なる個性を持っていました。

1台目のピアノは、とても華やかな音がしました。きらびやかな音色のピアノで、コンクールなどには良いように思いましたが、学生がこのピアノでソフトな音を作るのは難しいように思いました。

3台目のピアノは弾いていくうちに、自分で音色を作っていけるような印象でした。音色を作るまでは、弾き込みを重ねていく必要がありますので、これも学生には取り扱いが難しいのかな、と思いました。

カワイ竜洋工場でピアノを選ぶ多田先生
カワイ竜洋工場でピアノを選ぶ多田先生
カワイ竜洋工場でピアノを選ぶ多田先生
カワイ竜洋工場でピアノを選ぶ多田先生

最終的に選んだ2台目のピアノは、Shigeru Kawai らしい、フルコンサートピアノ特有の重厚な音で、かつまっすぐ音が返ってくるような反応の良さを感じました。

部屋の環境等で、十分な響きを感じられずにいた学生が鍵盤を押さえつけたような演奏をすることがありました。響きの豊かなピアノで気持ちよく音を出せたら、音を聴くという意識が育まれるのではないか、というのが選んだ一番の理由でした。

大学の楽器を選定するということに緊張もありましたが、個性あるピアノを弾き比べて、納得の一台を選ぶことができて良かったと思っています。

 

――― ピアノは3月に納入されましたが、振り返ってどのような思いでしたでしょうか? また学内の反響はいかがでしたか?

 

多田先生 大型クレーンで釣り上げられたピアノを見たときは、いよいよ設置されるのだと、気持ちが高ぶりました。明くる日から学校に来るのが楽しみでしたし、レッスンするのがとても待ち遠しかったです。写真はたくさん撮りましたよ(笑)

飯島先生  Shigeru Kawai を知らない生徒もいたのですが、日本で一番良いピアノだからと勧めました(笑)。知っている生徒は、なぜ Shigeru Kawai があるの?と感動して、とても喜んで弾いていました。練習室は、予約してから使用することになっていますが、Shigeru Kawai が入っている部屋はとても人気があります。

音楽ホールのカワイSK-EX
音楽ホールのカワイSK-EX
音楽ホールのカワイSK-EX
音楽ホールのカワイSK-EX

多田先生 音楽ホールの SK-EX については、自分の音が自分にはっきりと返ってくると学生が言っています。低音が重くなく、それでいて響きは重厚で弾きやすく、聴きやすいというのが学生の感想でした。

練習室のピアノより音がよく響くので、弾きやすさもあるのでしょうね。これまでは普段のピアノの練習のようにはいかない難しさがありましたが、どのピアノよりも音がよく鳴るので、弾きやすいと感じるようです。音がクリアだという感想も聞かれます。

 

――― 今後SK-EXはどういった形で使用されるのでしょうか?

 

多田先生 弾き込みが終わり次第、授業で使っていきたいですね。

飯島先生 私も授業や演奏会で使っていけたら嬉しいです。

多田先生 8月の上旬から前期試験が始まり、Shigeru Kawai を使う予定です。それから、本学には鍵盤サークルというサークルがありまして、半年に1回、音楽ホールで演奏会をしていますので、それにも使われることと思います。

SK-EXの弾き心地を味わう学生さんたち
SK-EXの弾き心地を味わう学生さんたち
SK-EXの弾き心地を味わう学生さんたち
SK-EXの弾き心地を味わう学生さんたち

 

――― ありがとうございます。是非ご活用ください。ところで、多田先生のレッスン室を拝見しましたが、大きな観葉植物にびっくりしました。

 

多田先生 留学先のアムステルダム音楽院は当時、レッスン室の天井が高く広々としており、ベンジャミンの木が大きく育っておりました。とても良い環境の中で学ぶことができたことを思い出します。

限られた部屋の広さではあるものの、何とか学生たちに気分よくレッスンを受けてもらいたいと、観葉植物を置いています。今年は新しいピアノが入り、学生にとっては、ずっとピアノを弾いていたい、そんな環境ができたのではないかと思います。

多田先生のレッスン室
多田先生のレッスン室
多田先生のレッスン室
多田先生のレッスン室

 

――― 学生のみなさんが心地良い環境でレッスンされているのが目に浮かぶようです。では、大学のことについて伺います。先生方の指導面で大切にされていることをお聞かせください。

 

多田先生 私はピアノを弾くことが楽しいと思えるようなレッスンを心がけています。海外で受けたレッスンはどれも楽しかったという思い出があります。

厳しい面もありましたが、とにかく充実感があり楽しかったですね、今思っても。私もそういうレッスンを目指しています。

学芸学部 音楽学科の学生たちの進路は、教員を目指している学生から一般企業を目指している学生と多様ですが、個々に合わせたレッスンを行っています。

技術的な問題にぶつかったとしても、克服できるよう一緒に考え、共に成長したいと日頃から学生との対話を大切にしています。ピアノを始める時期が比較的遅い学生であっても、4年間の学びが自己肯定感につながっているように思います。

ピアノ演奏がを弾くことが楽しいと思えるようなレッスンを心がける多田先生
ピアノを弾くことが楽しいと思えるようなレッスンを心がける多田先生
ピアノ演奏が楽しいと思えるようなレッスンを心がける多田先生
ピアノ演奏が楽しいと思えるようなレッスンを心がける多田先生

 

飯島先生 私は、演奏家としてだけでなく、研究者として、理論や歴史に基づいた指導を心がけています。

また、作曲家が活躍していた時代の楽器(ピリオド楽器)も専門としているため、古楽的な奏法も大切にしています。

 

――― 学外での活動がいろいろあると聞きました。

 

飯島先生 区役所での毎月1回の定期的なアンサンブルの演奏会には、音楽学部の学生が1年生から4年生まで参加しています。

音楽療法の活動も盛んで、学生たちが高齢者の施設でも演奏活動をしています。その他、秋のイベントやお祭り等も挙げられます。

多田先生 オーディションなどを経て地元のオーケストラと共演する機会もあります。学生は何かしら学外で演奏活動する機会がありますね。

 

学外での活動も多い広島文化学園大学
学外での活動も多い広島文化学園大学
学外での活動も多い広島文化学園大学
学外での活動も多い広島文化学園大学

 

――― 先生方ご自身のご興味や活動などがありましたら教えてください。

 

多田先生 私はシューマンやバルトークが目指した子どものための音楽教育を中心に研究しています。目標は、子どものためのピアノ作品集の制作です。子どもの頃から作曲家に憧れながらピアノを続けてきました。

ライフワークとしては子供から高齢者まで生涯音楽を学ぶ機会を持てるよう、継続的な音楽活動の支援を目指しています。また、留学先であったオランダで演奏活動も続けていきたいと思っています。

飯島先生 私は、演奏活動はもちろん、学術論文やオンライン音楽事典の執筆など、研究活動にも積極的に取り組んでいます。

大学院ではショパンについて研究していましたので、ショパンに関するテーマが多いです。教育的なことも興味があり、どのような楽譜を使って教えるのが良いのか、版による違いなども研究しています。

レッスン室に入った真新しい Shigeru Kawai を弾く飯島先生
レッスン室に入った真新しい Shigeru Kawai を弾く飯島先生
レッスン室に入った真新しい Shigeru Kawai を弾く飯島先生
レッスン室に入った真新しい Shigeru Kawai を弾く飯島先生

 

――― 最後にひとことお願いします。

 

多田先生  ピアノ選定の折、カワイ竜洋工場を見学させていただきました。工程を実際に見て、鍵盤をひとつひとつ入念に細かく調整されているのを見て感激しました。

ピアノづくりはとても手のかかるものであると同時に、楽器に関わる職人の皆さんの「ピアノへの愛情」を強く感じました。是非学生を連れて見に行きたいです。楽器を大切にすることはもちろんですが、ピアノに対する愛着はこれまで以上のものとなるでしょう。

 

取材にご協力いただいた広島文化学園大学のみなさん(左から、飯島先生、学生さんたち、多田先生)
取材にご協力いただいた広島文化学園大学のみなさん(左から、飯島先生、学生さんたち、多田先生)
取材にご協力いただいた広島文化学園大学のみなさん(左から、飯島先生、学生さんたち、多田先生)
取材にご協力いただいた広島文化学園大学のみなさん(左から、飯島先生、学生さんたち、多田先生)

 

――― ありがとうございました。カワイ竜洋工場には是非いらしてください。お待ちしております。

 

 

Shigeru Kawaiフルコンサートピアノ 『SK-EX』について

「世界一のピアノづくり」を目指す当社が、2001年に発表したフルコンサートピアノのフラッグシップモデル。コンサートピアノとして要求される最高の表現力を実現するために、響板には十分に厳選した材料だけを使用し、原器工程と呼ぶ伝統的な手作り工程で生産。またShigeru Kawaiグランドピアノシリーズで採用した新素材を随所に取り入れた革新的なウルトラ・レスポンシブ・アクションIIが、高い連打性と安定したタッチ感を提供する。繊細で伸びやかなピアニッシモに加えて、力強く輪郭のはっきりした響きが特長。

 

カワイ竜洋工場について

「世界一のピアノをつくりたい」という創業者 河合小市の夢を実現するため、1980年に静岡県磐田市に設けたピアノ工場。本当に良いピアノは、一台一台のピアノに職人が真摯に真剣に向き合って命を吹き込んでこそ、最高のピアノは生まれるという、何ものにも流されず一途に音を磨き続けるカワイの夢とロマンは、この地で大切に育まれています。
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(公財)ローム ミュージック ファンデーションについて

1991年の設立以来、音楽文化の発展と普及を目的として各種活動を実施しており、特に若い音楽家の育成に力を入れています。
https://www.rmf.or.jp/

Copyright © Kawai Musical Instruments Mfg. Co., Ltd. All Rights Reserved.

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