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2024.06.18

ニュウニュウ(牛牛)さんが語る音楽への想いとカワイの魅力

中国出身の国際派ピアニスト・ニュウニュウ(牛牛)さん。わずか6歳でピアニストデビューリサイタルを実現し、8歳には史上最年少で中国の名門・上海音楽学院に入学と、幼少期から輝かしい功績を残し、「神童」としてその名を世界に轟かせました。日本では、人気アニメ「ピアノの森」に登場するピアニスト、パン・ウェイの演奏を担当したことで、大きな話題となりました。そんなピアノを愛し、ピアノに愛されたニュウニュウさんに、Shigeru KawaiのSK-EXを演奏していただき、その感想を伺いました。これまでの歩みや日本への想い、さらにカワイのピアノ製造拠点である、竜洋工場を見学した際の感想についても語っていただきましたので、その貴重なインタビューをご覧ください。

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「ピアニスト・ニュウニュウ」の生い立ち

幼少期から開花したピアノの才能

――― 本名は張勝量(ジャン・ションリャン)さんというのですね。ニュウニュウというアーティスト名の由来を教えていただけますか?

私が丑年に生まれたので、両親が生まれたときにニュウというニックネームを付けてくれたんです。7歳からヨーロッパでコンサートツアーをしたのですが、その頃に本名よりも覚えやすく発音もしやすいと周りからよく言われたので、NiuNiu(ニュウニュウ)という英語名とアーティスト名を名乗るようになりました。

――― わずか6歳でピアニストデビューを果たし、史上最年少である8歳という若さで上海音楽院に入学されていますよね。大人に囲まれた幼少期を過ごしていたと思いますが、同年代の子供達と遊ぶことはあったのでしょうか?

子供の頃の1番の遊び相手は、ピアノでしたね。上海音楽学院の同級生も、ピアノの練習に熱中していたので、在学中はたくさんの良きライバルに恵まれていました。よくみんなでピアノの前に集まり、「ピアノバトル」と表して演奏の実力を競っていました。そのバトルで、何度も勝利したのを覚えています。その頃が懐かしいですね。あのピアノバトルは、仲間たちと演奏を上達できる良い機会だったと思います。

日本への想いを語る

日本での思い出

――― 今回の来日の目的は?

今回は、コンサートのために来日しました。一昨日に大阪のザ・シンフォニーホールで2公演を無事に終えたばかりですが、18日に東京のサントリーホールで指揮者のリオ・クオクマン(Lio Kuokman)さんの指揮で、パシフィクフィルハーモニア東京とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を共演する機会をいただけました。私は11歳の時に初めてサントリーホールで演奏しましたが、再びこの素晴らしいホールに戻って演奏できて、本当に嬉しく思っています。

私はこのラフマニノフの協奏曲が本当に大好きで、16歳の頃にリリースした初のコンチェルトアルバムにも収録しました。そんな思い出深いラフマニノフを日本で演奏できることも、とても感慨深いですね。

――― それにしても、本当に日本語がお上手ですね。どのようにして今のレベルまで上達したのでしょうか?

ありがとうございます。最初の半年はオンラインでの日本語のコースを受講し、先生と勉強していました。約半年ほど勉強をして、日本語能力試験も何度か受験しましたが、全然話すことができなかったんですよね。それから学習方法をより実践的なものに変更しました。たくさん日本語のラジオを聞いたり、日本人と定期的におしゃべりしたりして、その結果、少しずつ日本語を話せるようになりました。近年の日本ツアーでも、ステージの上で演奏する作品を、自分の言葉で紹介することができるようになり、頑張って勉強して良かったと思っています。

ニュウニュウさんの日本での過ごし方

――― 来日時には、長期間滞在されることが多いと思いますが、お休みの日は何をされているのですか?

お休みの日は、いつも観光名所や風景を見に行きます。先月の日本でのツアーの間に、3日間ぐらいのオフの日があり、その際には東京に滞在していました。ちょうど桜の季節で、ネットで有名な花見の場所を探して桜を見に行きました。とても綺麗だったので、写真をたくさん撮ってきました。もちろん、次の公演のための練習も欠かさず続けていましたよ。

――― 練習はどこでしていますか?

いつもカワイ表参道で練習させてもらっています。素晴らしい練習環境を提供してくれるカワイには本当に感謝しています。

――― ニュウニュウさんのinstagramを拝見したら、ストーリーでラーメンの画像が上がってました。 ラーメンがお好きなのでしょうか?

大好きです。ラーメンは美味しいだけでなく、一杯でいろんな栄養素を素早く摂取できる便利さも魅力ですよね。コンサートツアーの間は、いつもハードスケジュールなので、その手軽さにはいつも助けられています。また、ラーメンは地域によって味が違い、それぞれ異なる美味しさが楽しめることも素敵ですね。

「ピアノの森」ツアーを終えて

――― 先月は、中国出身の天才ピアニスト、パン・ウェイのピアノを担当されている、テレビアニメ「ピアノの森」のピアノコンサートに出演されました。ツアーはいかがでしたか?

「ピアノの森」ツアーに関しては、2018年から参加していましたが、1人での参加は、実は今回が初めてだったので、とてもワクワクしていました。今回のツアーは、私が担当したパン・ウェイが作中で演奏した曲だけでなく、アニメで登場した他の登場人物が演奏した曲もお届けしました。 ステージの上で、全ての作品を日本語で紹介させていただき、ドキドキする瞬間もありましたが、すごく思い出深い時間でしたね。

――― パン・ウェイを演じるということについて、どう感じていますか?ご自身とパン・ウェイが似ていると思うことはありますか?

ちょっと似ているところはあると思います。「ピアノの森」の第1シーズンのパン・ウェイは すごくクールですが、第2シーズンでは人柄に温かみを感じるようになりました。彼の心境の変化には、音楽が深く関わっていると私は思います。音楽により、彼は救われたのです。私にとっても、辛いときにいつも支えてくれるのは、音楽でした。音楽からパワーをもらい、救われてきたという点で、パン・ウェイと重なる部分があると感じています。

――― コンサートの反応はいかがでしたか?

どの公演も、最後にはお客様がスタンディングオベーションしてくれたことに、すごく感謝しています。アンコールには、坂本龍一さんの「energy flow」と、クラシックの名作8作品を組み合わせて編曲したクラシックメドレーも披露でき、とても満足しました。皆さんにも喜んでいただけて、とても嬉しかったです。

ニュウニュウさんが語るカワイの音色の魅力

初めてのカワイ竜洋工場見学

――― 今回の来日コンサートでは、初めてカワイのピアノ工場を見学していただきましたね。

はい。このような機会をいただけて、本当に光栄でした。近年、カワイのピアノがすごく好きで、香港にいるときはほぼ毎日、Shigeru Kawaiのピアノで練習しています。先月上海で行われた ピアノリサイタルでもShigeru Kawaiを使いましたね。いつかカワイのピアノ工場に行きたいと思っていたので、やっと夢が叶いました。

――― ありがとうございます。初めてカワイ竜洋工場を訪れてみて、いかがでしょうか?

本当に素晴らしく、とても心が震えました。ナチュラルで深みのあるピアノの音色は、豊かな自然の中に囲まれた工場の環境に由来しているのですね。そして何より、工場の皆様も使命感とピアノに対する愛を持ってるからこそ、美しいカワイピアノを作ることができるんだと、実感しました。カワイの皆さんには、尊敬の気持ちでいっぱいです。

SK-EXを弾いた感想

――― 今日はSK-EXを弾いていただきましたが、感想はいかがですか?

人の心を動かす、素晴らしい音色だと思います。まるで、 歌手が歌っているように表現豊かな音色ですね。SK-EXは柔らかく弾いても音が遠くまで伝わりますし、パワフルに弾いても耳障りにならず、幅広く豊かなダイナミックレンジを求める私にとっては、まさに理想の弾き心地です。 素敵な演奏体験を味わえる、素晴らしいピアノだと思います。Shigeru Kawaiは本当に大好きなピアノなので、いつかShigeru Kawaiだけを使って日本ツアーをまわってみたいですね。

「アーティスト・ニュウニュウ」としての夢と挑戦

――― 今後日本での活動は増えていくのでしょうか?

はい。今年の10月に、再び日本でリサイタルツアーをします。来年には日本でのオーケストラ等で協奏曲の共演も計画中です。

――― 今後ぜひ挑戦してみたい作曲家はいますか?

チャイコフスキーですね。先月はヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(Jarp van Zweden)さんの指揮で、香港フィルハーモニーとチャイコフスキーピアノ協奏曲 第1番の公演による新しいアルバムをリリースしました。今はとにかく、チャイコフスキーの協奏曲が大好きなので、これからチャイコスキーの第2番の協奏曲と第3番も演奏したいと思います。コンプリートのチャイコフスキーの協奏曲を公演したり、レコーディングに挑戦したいです。

――― 現在、音楽以外で刺激を受けているもの、はまってるものはありますか?

最近最もはまっている趣味は、ヒップホップやK-POPなどのダンスです。コンサートツアー以外、香港にいるときは週に数回、3〜4回ぐらいダンスのクラスを受けています。意外なのか、友人はみんなびっくりしていましたね。

ダンスをしている間は心がリラックスしますし、体の強調性や表現力が磨かれるので、運動しながら新しいことが学べてとても勉強になります。

――― ということは、いつかニュウニュウさんのコンサートで、ピアノ演奏とダンスを一緒に観られるのでしょうか?

それは多分、ちょっと現実的ではないかなぁ。 でも、実は今いろんなことを考えているんです。これからは、クラシックだけに拘らず様々なジャンルにも挑戦して、多才なピアニストになりたいです。 最近は歌うことにも興味があり、ボイストレーニングの勉強も始めたんですよ。

――― 歌にも挑戦されているのですね!

そうなんです。最近は、「真夏の果実」や「壊れかけのRadio」などJ-POPを良く聞いています。歌手はMISIAさんが好きですね。日本の歌を歌いながら、日本語の勉強もできるので、一石二鳥ですね。

―――ニュウニュウさんは本当に多才ですね。ダンスして、歌って、ピアノを演奏するコンサートを、ぜひ!

ありがとうございます。2020年からは作曲にもチャレンジしてきました。これからも、いろんなことに挑戦して、新しいことを学んでいきたいです。私の未来は様々な可能性を秘めていると考えており、私自身もとても楽しみにしています。ぜひ期待してください。

 

まとめ

天才的な演奏スキルを持ちながら、更なる高みを目指すニュウニュウさんのご活躍には、今後も目が離せません。
世界的ピアニストのニュウニュウさんにも愛されるShigeru Kawaiは、豊かな響きや弾き心地など、魅力的なポイントがたくさん詰まったカワイ最高峰のピアノです。カワイの自信作であるSK-EXを、ぜひ一度ご自身で演奏し、感動的な演奏体験を味わってみてください。

インタビューの様子はこちらからご覧いただけます!

 

ピアニスト: ニュウニュウ (牛牛)

本名、張勝量(Zhang Shengliang)。 1997年中国福建省厦門(アモイ)の音楽一家に生まれる。3歳で才能の片鱗を見せ始め、音楽教師の父より手ほどきを受ける。2003年8月、6歳になった直後にデビューコンサートを行い、モーツァルトのピアノ・ソナタやショパンのエチュードを演奏。8歳で上海音楽院に史上最年少で入学。その後ニューイングランド音楽院等を経て、2018年ジュリアード音楽院(米国)卒業。 2007年最年少で国際クラシックレーベルのEMIクラシックス(現ワーナークラシックス)と専属契約を結ぶ。2008年デビューアルバム『ニュウニュウ・プレイズ・モーツァルト』、2010年『ショパン:エチュード全集』、2012年『リスト・トランスクリプションズ』等を連続リリース。2016年にはヤツェク・カスプシク指揮ワルシャワ・フィルハーモニック演奏でラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、パガニーニの主題による狂詩曲をリリースしている。2017年ユニバーサル・レコードと専属契約を締結。2018年9月デッカより「リスト:ピアノ・ソナタ ~ヴィルトゥオーゾ&ロマンティック・ピアノ作品集」をリリースし、レコード芸術(18年11月号)で<特選盤>に選ばれた。 近年は、プラハの「ドヴォルザーク・フェスティバル」にてチェコフィル(指揮:イルジー・ビエロフラーヴェク)、ワルシャワ国立フィル(指揮:ヤツェク・カスプシク)、上海交響楽団(指揮:ムーハイ・タン)等と共演。2016年8月には1カ月で中国国内16都市を回るリサイタルツアーを実施して、大成功を収めた。 日本においては、2009年10月弱冠12歳でサントリーホール(東京)、ザ・シンフォニーホール(大阪)でデビュー。共にホールのリサイタル最年少記録を更新した。翌年には初のリサイタルツアーで大きな成功を収めた。2011年9月、佐渡裕指揮兵庫芸術文化センター管弦楽団の定期演奏会にてショスタコーヴィチ作曲「ピアノ協奏曲第1番」、ラフマニノフ作曲「パガニーニの主題による狂詩曲」を演奏し好評を博す。 テレビアニメ『ピアノの森』(NHK)で中国人ピアニスト パン・ウェイの演奏を担当。

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■Shigeru Kawaiフルコンサートピアノ 『SK-EX』について

「世界一のピアノづくり」を目指す当社が、2001年に発表したフルコンサートピアノのフラッグシップモデル。コンサートピアノとして要求される最高の表現力を実現するために、響板には十分に厳選した材料だけを使用し、原器工程と呼ぶ伝統的な手作り工程で生産。またShigeru Kawaiグランドピアノシリーズで採用した新素材を随所に取り入れた革新的なウルトラ・レスポンシブ・アクションIIが、高い連打性と安定したタッチ感を提供する。繊細で伸びやかなピアニッシモに加えて、力強く輪郭のはっきりした響きが特長。

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