ニュース
2014.07.24
カワイコンサートの前半戦が終了した。いずれの会場でも、聴衆はアーティストたちの演奏に満たされ、感動し、大きな拍手を贈り、好評を博した。彼らの演奏が素晴らしかったことは言うまでもないが、使用された楽器の優秀性を見逃すことはできない。同社が世界に誇るフルコンサートピアノ、EXとSK-EXである。
今年度は、去る5月15日に栃木県の宇都宮市文化会館小ホールで行われた「鵜塚一子ピアノリサイタル」で開幕し、松本将和さん、青柳晋さん、海老彰子さんと公演が続いた。個性あふれるピアニストたちが弾くカワイコンサートは、演目も多彩である。ピアノファンならずとも聞き覚えがある名曲から、目立つことはないけれどキラリと光る魅力を持った小品まで、そして、繊細な音色を要求される曲から、激しくダイナミックに演奏される曲まで、ピアニストとピアノの真価が問われるプログラムが目白押しである。
今回は、ピアノリサイタルを聴く機会が多いという来場者、中でもピアノ教師の方を中心に、終演後、演奏とピアノの音についていただいたコメントをご紹介したい。
楽に弾いているように見えるのに、出てくる音は私の体まで響いてきました。鵜塚さんの気持ちがまるでピアノと一体になっているようで、どの曲も非常に聴き応えのあるプログラムだったと思います。このピアノがあれ程太い音が出るとは思っていませんでした。演奏者の力量もあると思いますが、とても聴き応えのある音だったと思います。(女性)
非常にダイナミックな音が出て、かと思うと繊細な柔らかい響きが降りてきたりして、その素敵な音色に惹き付けられました。楽器の音も素晴らしく、そこにも惹き付けられました。(女性)
ダイナミックさと繊細さがとても美しかった。特にダイナミックスの差が非常にきれいで、ピアノの音も華やかでのびのびと響いている感じがして、本当にキラキラした美しい音でした。(女性)
とてもパワフルな演奏で、ピアニストの力強さが凄く滲み出た演奏だったと思います。楽器の音は、私が凄く好きな音で、とても心に響いてきました。(女性)
音が非常に繊細というか、透き通る感じで、とても心が癒されました。心にすーっと入ってくるような、そんな感じがしました。(女性)
優しい曲の時はとても優しいきれいな音色で、力強い曲の時は一つひとつの音が立って、演奏もピアノの音もとても素晴らしかったと思います。ピアノの音は非常にクリアに聞こえてきて、再現力、表現力が凄く素晴らしいし、音も深いし、非常にいい音色でとても気持ちよく聴かせていただきました。(女性)
演奏だけでなく、ピアノの音色にも感動した様子が窺えよう。アーティストのパフォーマンスを支える名器EXとSK-EX、それにアーティストの要望に応えて調律・調整をするコンサート・チューナーの存在なくしてカワイコンサートを語ることはできない。今後のカワイコンサートにも大いに期待したい。
横谷貴一(音楽ジャーナリスト、元「レッスンの友」編集長)