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2024.12.03
静岡県は浜松市にて、11月8日から25日に開催されていた浜松国際ピアノコンクール。3年に1回開催されてきた当コンクールは2021年に予定されていた第11回がコロナ禍の影響で中止となり、6年ぶりの開催となりました。
この度見事第4位を獲得したJJ ジュン・リ・ブイ氏が河合楽器に訪問してくださった際にインタビューに応えてくださいました!
この記事では、コンクール期間中の食事や、演奏前ルーティン、そしてピアノについて、JJさんの魅力をより知る事のできる記事になっております。
■曲目
ラウンド | 演奏日 | 演奏曲目 |
---|---|---|
第1次予選 | 11月10日 | – A. スクリャービン: 練習曲 変ニ長調 Op.8-10 – A. スクリャービン: 3つの小品 Op.2 – M. ラヴェル: ラ・ヴァルス |
第2次予選 | 11月16日 | – F. J. ハイドン: ピアノ・ソナタ ホ短調 Hob.XVI:34 – S. ラフマニノフ: コレルリの主題による変奏曲 Op.42 – 猿谷紀郎: Division 28 for Piano |
第3次予選 | 11月19日 | – W. A. モーツァルト: ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K.478 – F. ショパン: 24の前奏曲 Op.28 |
本選 | 11月24日 | – S. ラフマニノフ: パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43 |
■演奏動画(ファイナル)
――― 日本に来たのは初めてではないと思いますが、浜松についての印象をお教えください。
今回で3回目か4回目になると思います。昨年は、秋田に新しくオープンしたホールでSK-EXを選ぶために来日しました。今年は6月末から7月初めにかけて、ソロコンサートを行うために浜松を訪れました。
浜松は、特にコンクール中の私たちにとって、とても便利で素晴らしい場所だと思います。食事をしたい時は、すぐ近くで美味しい料理を楽しめますし、練習室やコンサートホールもホテルからすぐ近くです。セブンイレブンなどコンビニエンスストアで手軽に夕食を調達することもできて、とても快適でした。
―――期間中は何を食べていたのですか?
最初はカルボナーラパスタをよく選んでいましたが、最近は親子丼が気に入って、頻繁に食べるようになりました。
あとは、そば屋さんが好きでした。名前は忘れてしまいましたが、そばや丼物が美味しいお店によく行きました。また、駅の南口にあるうなぎのお店もお気に入りです。
―――他のコンテスタントと一緒に過ごすことはありましたか?
はい、練習室で友人とお互いの演奏を聴き合ったり、一緒に食事に行くこともありました。コンクール主催側が自由に過ごせる環境を提供してくれたので、それぞれのペースで過ごしていました。ただ、他の参加者と直接会う機会は多くはありませんでした。
主にコンクールについての話題が多かったですが、それだけでなく、人生についてや最近の出来事についても話しました。普段会えない友人たちと会話できて、リラックスできました。
―――浜松国際ピアノコンクールの運営やステージ環境について、どのように感じましたか?
浜松のコンクールは、非常に時間通りに進行されていて、参加者として安心感がありました。これまでの他のコンクールでは、予定時刻が変更されたり、待たされて手が冷えてしまったりすることがありましたが、ここではそういったことがなく、メンタル面でも助けられました。
―――演奏当日、どのような準備をされていますか?特別なルーティンはありますか?
正直に言うと特別なルーティンはありません。ただ、ステージに上がる前にリラックスすることが重要だと思っています。これまで練習室でやってきたことが全てなので、過剰に準備しすぎないようにしています。
また、演奏前に短い昼寝をすることがあります。今回はホテルがホールのすぐ近くだったので、移動の心配もなく快適でした。
―――食事や飲み物について、何か意識していることはありますか?
良い食事と十分な睡眠が重要です。一番気をつけているのは、体調を崩さないこと。過去に食べ物が原因で体調を崩した知り合いがいるので、私は安全なものを選ぶようにしています。
―――これまでのキャリア、といってもまだお若いですが、これまでSK-EXを頻繁に選ばれているその理由は何でしょう?
SK-EXは、私が音楽で表現したいことを自由にさせてくれる楽器です。音のコントロールが非常にしやすく、自分の感情や音楽のビジョンを具現化できると感じます。また、音の温かさや高音域の輝きも素晴らしく、私にとって非常に心地よい楽器です。どのピアノを選ぶかは、何を優先として考えているかによると思います、音色や、時にはペダルだったり、その中で自分はコントロール性を重要視しているため、SK-EXを選んでいますね。
―――今後の目標や計画について教えてください。
これからも新しいレパートリーを学び、ピアノ演奏の新しい側面を探求したいと思っています。これまで忙しい日々の中で、音楽について深く考える時間が少なかったので、その部分をもっと掘り下げたいです。また、しばらくはコンクールから少し距離を置き、音楽家としての成長に集中したいと考えています。
JJ ジュン・リ・ブイ JJ Jun Li Bui
カナダ生まれ。第18回ショパン国際ピアノコンクールで最年少参加者(当時17歳)にして第6位入賞を果たした。若いピアニストのための北京ショパン国際コンクール(2019年)、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(2019年) 、ハノイ国際ピアノコンクール(2018)、オーフス国際ピアノコンクール(2017年)等、これまでにも数多くのコンクールで入賞。また、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団、中国中央音楽学院交響楽団、ハノイ・フィルハーモニー管弦楽団、キンドレッド・スピリッツ・オーケストラ、トロント王立音楽院アカデミー室内楽団と共演。北アメリカを中心に、ヨーロッパ・アジアでも演奏活動を行っており、今後は日本のほかポーランド、アメリカ、ドイツでの演奏を予定している。トロント王立音楽院附属の若手アーティストのためのフィルアンドエリテイラーパフォーマンスアカデミーにてマイケル・ベルコフスキーとリ・ワンに師事したのち、現在はオバーリン音楽院にてダン・タイ・ソンに師事。
■Shigeru Kawaiフルコンサートピアノ 『SK-EX』について
「世界一のピアノづくり」を目指す当社が、2001年に発表したフルコンサートピアノのフラッグシップモデル。コンサートピアノとして要求される最高の表現力を実現するために、響板には十分に厳選した材料だけを使用し、原器工程と呼ぶ伝統的な手作り工程で生産。またShigeru Kawaiグランドピアノシリーズで採用した新素材を随所に取り入れた革新的なウルトラ・レスポンシブ・アクションIIが、高い連打性と安定したタッチ感を提供する。繊細で伸びやかなピアニッシモに加えて、力強く輪郭のはっきりした響きが特長。
河合楽器訪問の際には直筆のお手紙を持ってきてくださったJJさん。JJさんの言葉から、音楽への真摯な情熱と、SK-EXピアノへの深い信頼が伝わってきました。これからの活躍がますます楽しみです!
過去のJJさんの記事はこちらからお読みいただけます。