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2025.03.28

【SK-EX 納入レポート】名古屋音楽大学 清水 皇樹学長インタビュー

公益財団法人ロームミュージックファンデーションが行う、演奏家を養成する教育機関へのピアノ寄贈事業において、名古屋音楽大学が対象校として選ばれ、2024年12月カワイフルコンサートグランドピアノSK-EX が納入されました。

SK-EXお披露目演奏会が行われた12月某日、名古屋音楽大学の「めいおんホール」にて、名古屋音楽大学 学長 清水皇樹(しみず こうき)さんにお話を伺いました。

 

【ピアノ選定時に清水学長と共にカワイ竜洋工場へご来場いただいたお二人】
大学院研究科長 教授 大岡 訓子(おおおか のりこ)さん
演奏部長 教授 中川 朋子(なかがわ ともこ)さん

 

名古屋音楽大学
左から公益財団法人ロームミュージックファンデーションの竹内様、大岡訓子教授、中川朋子教授、山内理桜菜さん、高尾真菜さん、清水皇樹学長

 

――― 本日はSK-EXのお披露目演奏会おめでとうございます。名古屋音楽大学 めいおんホールに設置されたSK-EXの演奏を聞いて、いかがでしたでしょうか。

柔らかい人間の声のようで、それでいて華やかで、いい花の香りがするような、あるいは、いいワインの香りがするような感じがありました。
以前よりコンクールや演奏会で弾かれるShigeru Kawaiの音色を聞いてすごく素敵だなと思っていたので、いつか名古屋音楽大学のめいおんホールにもSK-EXが入って、学生達が弾いてくれたら嬉しいなと思っていました。

 

――― ワインはお好きでしょうか? SK-EXの音色を“いいワインの香りがするような”と例えていただきましたが、清水学長が感じているSK-EXの音色はどのようなイメージでしょうか。

ワインは赤も白も、両方とも大好きです。SK-EXの音色は“よく歌う”というイメージです。甘さがあり、しなやかさもある。イタリアのような明るさ、親しみやすさも感じます。

 

――― 最終的にカワイのSK-EXをお選びいただいた理由やポイントをお話しいただけますでしょうか。

私自身SK-EXの音が好きで、ピアニストの方がSK-EXを弾かれた音もすごく好きだったためです。
特に香るような華やかな音や人間の声のような温かい感じがすごく好きでしたので、迷うことなく即決でした。

 

名古屋音楽大学「めいおんホール」のカワイSK-EX
名古屋音楽大学「めいおんホール」のカワイSK-EX

 

――― ピアノ選定の際には清水学長、中川教授、大岡教授の3名にカワイ竜洋工場へご来場いただきました。竜洋工場をご覧いただいて、SK-EXやカワイに対して感じられたことはありますでしょうか。ピアノ選定時のエピソードも併せてお聞かせください。

いつもスタッフのみなさんとお話しをするのは、「カワイの方はみなさん温かい」ということです。ワガママも言えちゃいます。(笑)

ピアノ選定時にはSK-EXを3台用意していただき、どれも個性があってそれぞれ素晴らしく、大いに悩みました。最初は左側のワインの香りがするような華やかな音がするピアノがいいかなと思っていましたが、弾き比べたり、中川教授、大岡教授と話し合ううちに、学生達が音をつくっていけるようなピアノにしようと考え、最終的に真ん中のピアノを選びました。

右側と左側のピアノはパッと華やかな音が出ましたが、ピアノを弾く学生達がある程度タッチでもって音をつくらなくてはいけないという感じがしたので、真ん中のピアノが一番学生のためにはいいかなと思い、3人の意見が一致しました。

 

――― 次に、名古屋音楽大学について教えてください。約8年前に開設された「ピアノ演奏家コース」にかける想いや創設された経緯をお聞かせください。

日本における音楽の世界は東京に一点集中という感じがあり、東京に行かないと演奏家になる等、音楽の道に進むのが難しいということがあったかと思うのですが、名古屋からも国際的に活躍するピアニストが生まれたらいいなという思いで約8年前に立ち上げました。
それにはやはり良い先生が揃っているということが大切だと思います。そのため、普段東京で教えている先生や、大学では教えてない先生を名古屋音楽大学へ呼んだりと、生徒にとってより良い環境づくりに努めました。ピアノの先生のみなさんには名古屋音楽大学のために、ピアノ演奏家コースのために、と快く引き受けてくださり、いつも熱心にご指導してくださって本当に感謝しています。

徐々に結果も出てきていて、本日のSK-EXお披露目演奏会でピアノを弾いてくれた学生達のように素晴らしい演奏をする学生が沢山います。それこそ東京の人にも負けない演奏をするようになったかなと。(笑)

なんでも10年はかかると思っていますが、ピアノ演奏家コース開設よりもうすぐ10年を迎えるにあたり、夢を実現しつつあるという実感はしています。そのようななかで、Shigeru KawaiのSK-EXがめいおんホールに入ってくれたおかげで、より学生達がピアニストの道に向かってステップアップできるという予感がしてワクワクしております。

 

名古屋音楽大学 清水皇樹学長
清水皇樹学長

 

――― 2025年3月のロン=ティボー国際コンクールへ名古屋音楽大学から2名も本選に出場されるということで、こうした結果はやはり「ピアノ演奏家コース」の影響が非常に大きいのかなと思っております。 「ピアノ演奏家コース」の指導方針はいかがでしょうか。

「ピアノ演奏家コース」は、2人の先生から習える“ダブルレッスン”が特徴です。2人の先生達の距離が近く、和気あいあいと話し合い、チームワークで学生を指導してくれています。また、本当に熱心に教えてくださっています。

 

――― ダブルレッスンの具体的な指導方法と学生にとってのメリットを教えてください。

チームワークで、時には2人の先生で1人の学生を育てます。先生によって得意分野が異なるので、学生からすると考え方の幅が広がることが大きなメリットだと思います。柔軟性を身に着け、自己主張ができる人間になってほしいと思っています。

 

――― やはり「ピアノ演奏家コース」は学生さんからの評判は良いのでしょうか?

それは私が聞きたいくらいです。(笑)
「ピアノ演奏家コース」に専願で入っていただける方が毎年増加しているのは、ご好評をいただいているということなのかなと思います。 現在は全体の約50%になります。ただ、併願で来ていただくのも、もちろんウェルカムです。

 

――― 清水学長様が教育面や指導面で大切にされていることを教えてください。

先生に教えられるままをやるのではなく、自分の表現したいことや自分の考えていること、思っていることをストレートに音に出せることが重要なので、それぞれの学生の個性をいかに引き出すかということを大切にしています。
音楽の文法的なところの決まりはあるのでもちろんそれは教えますが、自分の表現したいことを最大限に引き出すというところに重点を置いていつも指導をしています。

 

名古屋音楽大学 清水皇樹学長
名古屋音楽大学 清水皇樹学長

 

――― 清水学長様ご自身のご経験から教育や指導に活きていることを教えてください。

1990年~6年間、パリ・エコールノルマル音楽院、及びモスクワ音楽院に留学しましたが、そのときの学びが現在も大きく影響しています。
また、映画を見ることが好きなので、映画監督のメッセージを参考にしたり、ダンスのバレエ、フィギュアスケートなどピアノ以外の表現があるものからも学んでいます。

 

――― おすすめの映画を教えください。

フランス映画の「シェルブールの雨傘」。ラストシーンは是非観てください。

 

――― これからピアニストを目指す方々へメッセージをお願いいたします。

先週、提携校のザルツブルク・モーツァルテウム大学へ行き、エリザベート・グートヤール学長と音楽教育についてお話しをしました。音楽家として社会にいかに貢献できるか、社会に対して何ができるかということを私達指導者側は常に考えていかなければなりません。ただピアノが上手なだけでなく、いかに社会と繋がり、どのように社会の役に立つか、ということを考えることができる音楽家を育てていきたいというお話をしました。

そのことから、改めて、名古屋音楽大学の学生達にもそのような考えを伝え、指導に取り入れていかなければいけないと感じましたし、演奏家を目指す方全員にとって大切な考え方だと思います。

 

――― 最後にカワイへのお言葉をいただけますでしょうか。カワイは2024年4月に4代目社長が就任し、約2年後に創立100年を迎え、また新たな挑戦を始めようと歩みを進めています。これからのカワイに向けて、こういうことやってほしいですとか、こういう風な会社であってほしい、というようなことがありましたらお聞かせいただけますでしょうか。

Shigeru Kawaiという1台1台違う個性のあるピアノづくりは画期的で、尊敬しています。
カワイのみなさんと同じような温かい音色や雰囲気をそのままに、ピアノを作り続けていただければと思います。

 

名古屋音楽大学 清水皇樹学長
取材にご協力いただいた名古屋音楽大学のみなさん(左から山内理桜菜さん、高尾真菜さん、清水皇樹学長)

 

――― 本日はありがとうございました。

 

名古屋音楽大学について

名古屋音楽大学は、中部地区で随一の音楽の総合大学。音楽学科の1学科、16コースを有し、総合的に音楽に接する場、音楽や音楽を愛する人たちとの出会いの場として、開かれた大学でありたいと考えています。
名古屋音楽大学 公式ホームページより一部抜粋)

 

Shigeru Kawaiフルコンサートピアノ 『SK-EX』について

「世界一のピアノづくり」を目指す当社が、2001年に発表したフルコンサートピアノのフラッグシップモデル。コンサートピアノとして要求される最高の表現力を実現するために、響板には十分に厳選した材料だけを使用し、原器工程と呼ぶ伝統的な手作り工程で生産。またShigeru Kawaiグランドピアノシリーズで採用した新素材を随所に取り入れた革新的なウルトラ・レスポンシブ・アクションIIが、高い連打性と安定したタッチ感を提供する。繊細で伸びやかなピアニッシモに加えて、力強く輪郭のはっきりした響きが特長。

 

カワイ竜洋工場について

「世界一のピアノをつくりたい」という創業者 河合小市の夢を実現するため、1980年に静岡県磐田市に設けたピアノ工場。本当に良いピアノは、一台一台のピアノに職人が真摯に真剣に向き合って命を吹き込んでこそ、最高のピアノは生まれるという、何ものにも流されず一途に音を磨き続けるカワイの夢とロマンは、この地で大切に育まれています。
カワイ竜洋工場ご見学のお申し込みはこちらへ

 

(公財)ローム ミュージック ファンデーションについて

1991年の設立以来、音楽文化の発展と普及を目的として各種活動を実施しており、特に若い音楽家の育成に力を入れています。
https://www.rmf.or.jp/

Copyright © Kawai Musical Instruments Mfg. Co., Ltd. All Rights Reserved.

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