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2023.06.30
長年指導に従事し、多くの優秀なピアニストを育ててこられたピアノ指導者の金子 勝子さん。
金子さんにShigeru Kawaiについてインタビューをいたしました。
発売された1999年から20年以上使ってまいりました。長年使用しているうちに、私の生徒達は音楽大学へ進学しピアニストへと成長していくものも多く、大曲を演奏する人が増えていく中、メンテナンスをしながら対処をしておりましたが、近年は弦が頻繁に切れるようになっておりました。そこで「生徒に良いピアノで弾かせてあげたい」という気持ちが大きくなり、愛奏していたShigeru Kawaiを入れ替える決心を致しました。
再び選んだ理由として、以前からカワイを使用しており慣れ親しんだ音色でもあること。また私の「ピアノ指導において求めるピアノの条件」である「ピアニシモを重視した音を実現出来るピアノ」という点においても、今回の買替はカワイピアノしか考えていませんでした。設置後、弾き込む度に段々と音がよく鳴るようになってきて、求める音色を自在に出せるようになったと感じます。生徒も今回のピアノを、とても弾きやすいと感じて喜んでくれています。レッスンでは、私が考案したメソッド「指セット」を必ず20分~25分行い、綺麗な音色でppをコントロールすることを意識させます。5本指が均等にpからfまで出せるようになり、演奏において重要な「コントロール」「バランス」を身に付けることができれば、どんな曲でも対応可能になるからです。
新しいShigeru Kawaiを通じて、生徒にはいい音でピアノを鳴らせるピアニストになってほしいと願っております。私の理念は、その人の中にある音楽性を理解し、それを伸ばしてあげること。昔は大学でも指導法の授業など無く、どうしたら生徒の力を伸ばしてあげられるか、試行錯誤しながら自分で考えてきました。大変ではありましたが、だからこそ今があると思っております。指導者もピアニストも、経験が大事ですね。「芸術は一生かけて追求していくもの」であり、慢心したらそれで終わりです。常に聴いていただく人を思い、謙虚な気持ちで臨むことを専一に指導しております。
国立音楽大学ピアノ科卒業。現在、主にピアノ教育に従事し指導をするかたわら、公開レッスン、講座をはじめコンクールの審査などのほか、雑誌執筆、編集、出版などを行う。1999年ピティナ・トヨタ指導者特別賞を受賞、一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)理事・運営委員・指導法研究委員会委員長。PTNA表参道支部支部長・表参道Avenueステーション代表。元昭和音楽大学・大学院ピアノ科教授。牛田智大、大崎由真、角野隼斗ほか ピアニストを多数輩出。