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2015.08.17
国内外の著名教授陣によるレッスンを通じて、世界に通用するピアニストの育成を目的とした『浜松国際ピアノアカデミー』。来年で開催20回を迎えることを記念して各地でコンサートが開催されています。そのコンサートの一環として、カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」でも、修了後に国際コンクールで優秀な成績を収めるなど活躍の場を広げている若手ピアニストによるコンサートが開催されました。
コンサートは7月16~17日の2日間にわたり昼と夜の構成で公演。第17回~第19回修了生の石田成香さん、第14~第17回修了生で第19回アカデミーコンクールでは第1位を獲得した髙木竜馬さん、第1回~第6回修了生の泉ゆりのさん、第4回~第5回修了生の福間洸太朗さんの4名が、それぞれの持ち味を活かした素晴らしい演奏を披露しました。
演奏前に同アカデミー音楽監督の中村紘子さんからのご挨拶をいただいた後、速いテンポで元気よく始まりフォルテと静かなしっとりした所との対照が素晴らしい堂々としたシューマン/謝肉祭Op.9で始まったコンサートは、若さに溢れた快活で華やかな演奏を披露した難曲・リスト/メフィストワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」からアンコールのラフマニノフ/絵の音Op.39まで、ランチタイムにもかかわらず詰めかけた満員の聴衆の期待に応える素晴らしい演奏を披露しました。
最初の曲は、ベートーヴェン/ワルトシュタイン・ソナタ。続いてドビュッシー/映像 第1集より『水の反映』、シューマン/アベッグの名による変奏曲 Op.1と続きリストのソナタ・ロ短調と続きました。ここまで大きなプログラムを演奏した後にも関わらず、アンコールは2曲、最後のショパン/英雄ポロネーズまで元気全開な演奏で聴衆を沸かせました。
オペラのようにドラマティックなプレリュードと各声部を多彩な音色で弾き分けられたフーガから成るモーツァルト/プレリュードとフーガ K.394 K6.383aから演奏は始まり、シューベルトの歌曲5曲ではリスト編曲によるピアニスティックな華やかさを存分に表現し、楽器の持つ様々な音色を駆使され立体的な音響空間を作り出したプロコフィエフ/ピアノソナタ第4番からアンコールまで、充実したコンサートとなりました。
前半をモーツァルトとシューベルト、後半をショパンで構成されたプログラムは、コンサートで取り上げることが珍しいモーツァルト10歳の作品/8つの変奏曲で始まりました。シューベルト作品では、演奏に加え解説なども交えながら和やかに進みました。後半では、現在のご自身と同じ、モーツァルトが32歳で書いたというバラード第4番を織り交ぜながら、アンコールのストラヴィンスキー/火の鳥で華やかに締めくくられました。