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2014.04.30
河合楽器製作所が主催するカワイコンサートが、今年度も5月から全国各地で始まる。このカワイコンサートは、1971年から始まり、2,200回を超える公演数を誇る伝統あるピアノリサイタルで、我が国の音楽文化の振興に大いに寄与していると言える。このコンサートに登場するアーティストは、国際的に活躍しているピアニストから新進気鋭の若手演奏家まで多彩な演奏家たちで、それぞれに素晴らしい音楽を提供してくれる。
今年度は、5月15日(木)宇都宮市民文化会館小ホールでの鵜塚一子ピアノリサイタルを皮切りに、松本知将、青柳 晋、海老彰子、久元祐子、山岸ルツ子、河村尚子、島田彩乃等々、実力派ピアニストによる計20回のリサイタルが全国各地で予定されている。彼らの演奏に触れることは、ピアノ愛好家や音楽指導者、学習者などピアノに携わる方は勿論のこと、多くの音楽ファンにとって、音楽の素晴らしさを体験するまたとない機会となろう。
また、彼らの演奏と同等に、聴くものに音楽の素晴らしさを体感させてくれるのが、このコンサートで使用されるフルコンサートピアノ、“EX”と“SK-EX”である。その流麗な音色に世界から賞賛を浴びてきた“EX”と、その“EX”を礎に究極を求めて1999年に誕生し15年目の節目を迎えたShigeru Kawaiシリーズのコンサートモデル“SK-EX”は、いずれも河合楽器製作所が世界に誇るフルコンサートピアノである。各地の国際ピアノ・コンクールで採用され、多くのコンテスタントに選ばれて、彼らの演奏をサポートしている。
例えば、2002年の第13回ホセ・イトゥルビ国際ピアノ・コンクール(スペイン)では、SK-EXを選んだピアニストが1位から5位までを独占、2004年の第8回シドニー国際ピアノ・コンクールでは、ジョン・チェン氏が優勝、島田彩乃氏が4位に入賞、更に2005年の第15回ショパン国際ピアノ・コンクールでは、関本昌平氏が4位に入賞している。
世界各国のコンサートやイベントでも弾かれている。2003年にはロシアの巨匠ミハイル・プレトニョフ氏が、SK-EXと出逢い、モスクワ音楽院大ホール公演で使用した。また同氏は2012年、Shigeru Kawaiピアノ研究所でSK-EXを試弾して、暫く休止していたピアノ演奏活動の再開を決意し、翌2013年のヨーロッパ・ツアーからSK-EXを使用してピアノ演奏を6年ぶりに再開、世界の注目を集めている。あのスタニスラフ・ブーニンも、Shigeru Kawaiを知って迷わず手に入れたという。
このように世界の超一流ピアニストたちに認められたカワイフルコンサートピアノの響きを生で聴くことのできるこのカワイコンサートは、前述したように、音楽の素晴らしさを演奏と響きの両面で味わえる絶好の機会と言えよう。是非多くの方にお勧めしたい。
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横谷貴一(音楽ジャーナリスト、元「レッスンの友」編集長)