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2025.09.08
【お話を伺った先生方と生徒のみなさん】
武蔵野大学 教育学部幼児教育学科 准教授 高牧 恵里(たかまき えり)先生
武蔵野大学中学校・高等学校 教諭 杉浦 みずほ(すぎうら みずほ)先生
武蔵野大学中学校・高等学校の生徒のみなさん
高校3年生 齋藤(さいとう)さん
高校3年生 安田(やすだ)さん
高校2年生 泉﨑(いずみざき)さん
中学3年生 佐藤(さとう)さん
――― 先生は高牧先生とご一緒にSK-EXのピアノ選定にも参加されたそうですが、その時の様子を教えてください。
ピアノの選定は、2025年の2月に河合楽器さんの工場に伺って行いました。私は声楽が専門なので、調律師の方などピアノの専門家がいらっしゃる前で試弾をするのはかなり緊張しましたが、みなさんが気配を察して「ちょっと私たちは席を外しますね」と言ってくださったので、じっくりと音を聴いて確かめました。3台とも本当に素晴らしいピアノでしたが、雪頂講堂で弾く人はプロではなく、大学生や中高生なので、プロでない人が弾いても鳴るピアノがいいのではないかと思い、このピアノを選びました。高牧先生にご意見を伺ったところ、私と同じお考えだったのでほっとしました。
カワイ竜洋工場で選定した3台のSK-EX 高牧先生が試弾中
――― お披露目コンサートでは独唱を披露されましたが、伴奏のSK-EXの音色はいかがでしたか?
高音がキラキラしてとてもきれいです。特にピアニシモの弱い音が美しく感じましたね。それに、SK-EXの音色はとても柔らかい響きです。ピアノは歌にとって相棒のような存在で、支えてもらっているというより、協働しているという感じです。今日はSK-EXの音色と歌声が調和して、とても歌いやすかったです。
お披露目会にて独唱を披露された杉浦みずほ先生と伴奏の高牧先生
――― 高牧先生との協力関係はいつ頃から始まったのでしょうか?
今から2、3年前のことですが、法人の創立100周年を記念して新しいスクールソングを作ることになり、その頃から高牧先生との距離がぐっと近づいたように思います。それがきっかけで、今回のお披露目コンサートも一緒にやらせていただくことになりました。普段は大学と中学校・高等学校とで連携する機会が少ないのですが、音楽を通じてこうして協力し合えるのは本当に素晴らしいことだと思います。
武蔵野大学中学校・高等学校 杉浦みずほ先生
――― 先生が教鞭をとられている武蔵野大学中学校・高等学校の特色について教えてください。
本校は数年前まで女子校だったのですが、仏教の精神に基づいた心の教育を大切にした学校です。本校の教育方針を気に入ってくださっている方が大勢いて、お祖母様、お母様、お嬢様と3代で通われているケースも多いんですよ。実は女子校時代から「男の子が生まれたけれど、この学校に入学させたいから早く共学にしてほしい」という声をたくさんいただいていました。私は現在、高校2年生の担任をしていますが、これまでの教え子たちがお母さんになって、お子さんを通わせているケースもあります。共学になってからは元気のいい男子生徒たちが加わったことで、学校全体の熱量が上がったと感じます。
お披露目会にてピアノ演奏を披露された中学3年生 佐藤さん
――― 先生は普段、生徒さんたちにどのように成長してほしいと思いながら音楽教育に携わっていらっしゃいますか?
私は、生徒たちに音楽を通じて感性の豊かな人になってほしいと思っています。感性が豊かになると相手のことも思いやれるし、想像力も働くようになります。それに、音楽の授業を通じて、「世の中にこんなにも美しい世界があるんだ」ということを伝えたいです。高校生の授業では、イタリア歌曲やドイツ歌曲を原語で歌います。上手に歌えなくてもいいから「とにかく楽しもう!」という感じで指導していますが、男子生徒も恥ずかしがらずに大きな声で一生懸命歌ってくれます。そういった体験が、将来の教養として活かされてくると思います。
――― 今後、このピアノをどのように活用していきたいですか?
雪頂講堂にはパイプオルガンがあり、生徒たちは誰でも演奏が可能です。SK-EXもそれと同様に、誰でも弾ける機会を設けることが、このピアノが活かされる秘訣だと思います。本物の楽器に触れることで音楽に興味を持ってくれる生徒も多いですし、「本物の楽器に触れる」という体験そのものが、生徒たちの感性を磨いていくのにとても大切なことだと思うんです。管理面での課題もありますが、SK-EXという素晴らしいピアノを、これからもできるだけ多くの生徒に体験してもらいたいと思っています。
武蔵野大学「雪頂講堂」のカワイSK-EX
▮学校法人武蔵野大学について
1924年に仏教精神を根幹とした人格教育を理想に掲げ、武蔵野女子学院を設立。1927年に高等女学校となり、学制改革により1947年・1948年に武蔵野女子学院中学校・武蔵野女子学院高等学校を設置。2019年に武蔵野女子学院中学校・高等学校を武蔵野大学中学校・高等学校へと名称変更し、同時に中学校を男女共学化。2020年には高等学校も男女共学化した。
大学は武蔵野女子大学を前身とし、2003年に武蔵野大学に名称変更。2004年の男女共学化以降、大学改革を推進し13学部21学科、13大学院研究科、通信教育部など学生数13,000人超の総合大学に発展。2019年に国内私立大学初のデータサイエンス学部を開設、2021年に国内初のアントレプレナーシップ学部を開設し、「AI活用」「SDGs」を必修科目とした全学共通基礎課程「武蔵野INITIAL」をスタートさせる。2023年には国内初のサステナビリティ学科を開設。2024年には創立100周年を迎え、世界初のウェルビーイング学部を開設した。2050年の未来に向けてクリエイティブな人材を育成するため、大学改革を進めている。
(参考:学校法人武蔵野大学ホームページ、武蔵野大学公式ホームページ)
https://ef.musashino-u.ac.jp https://www.musashino-u.ac.jp/
▮Shigeru Kawaiフルコンサートピアノ 『SK-EX』について
「世界一のピアノづくり」を目指す当社が、2001年に発表したフルコンサートピアノのフラッグシップモデル。コンサートピアノとして要求される最高の表現力を実現するために、響板には十分に厳選した材料だけを使用し、原器工程と呼ぶ伝統的な手作り工程で生産。またShigeru Kawaiグランドピアノシリーズで採用した新素材を随所に取り入れた革新的なウルトラ・レスポンシブ・アクションIIが、高い連打性と安定したタッチ感を提供する。繊細で伸びやかなピアニッシモに加えて、力強く輪郭のはっきりした響きが特長。
▮ライターご紹介
ライター 小川 あきみ
静岡県浜松市在住。立教大学文学部卒。人物インタビュー、住宅紹介、企業情報など幅広い分野で取材・執筆を続けて30年余り。一人ひとりの想いに寄りそう取材と、心に響く文章づくりを心がけています。