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2025.11.05
—あなたの心に残る、誰かと分かち合った特別な「音」はありますか?
第19回ショパン国際ピアノ・コンクールで第5位と聴衆賞を受賞されたポーランド出身のピアニスト、ピオトル・アレクセヴィチさん。
彼は、「音楽を通じて人と心を通わせること」を最大の夢だと語ります。そして、愛する音楽を世界中と分かち合い、聴衆との確かな繋がりを築くことを強く願う。
「必ず実現させたい」と心から願う、彼の誠実な音楽観。その情熱が、どのように私たちの心に響くのか、その深い人間性と未来への展望に迫ります。

――― 見事ファイナリストに選出され、入賞した感想を教えてください。
第19回ショパン国際ピアノコンクールで第5位と聴衆賞を受賞できたことを心から嬉しく、そして光栄です。母国ポーランドでこのような賞をいただけたことは、私にとって非常に大きな名誉であり喜びです。
ショパンコンクールは私にとって自分を成長させる素晴らしい機会であり、世界中の多くの人々と音楽を分かち合う素晴らしい機会でもありました。自分の持てる力すべてを世界中の皆様に届けられたこと、心から幸せで、誇りに感じています。

―――Shigeru Kawai SK-EXについて、演奏された感想をお聞かせください。
ピアノセレクションはいつも非情に難しいものですが、私がピアノを選ぶ際はいつも、最も多彩かつ音色や響きの幅が最も広い楽器にしています。
カワイのピアノには、とても独特な魅力があります。室内楽的と言いましょうか、名付けるなら”チェンバー・サウンド(室内楽サウンド)”とでも呼びたいです。大音量で開放的なピアノ、というよりはむしろとても親密で、音楽を最も自然で、美しく形づくることのできる魅力があると感じています。
それから、特にお伝えしたいのは、カワイのピアノは本当に演奏者を助けてくれるということです。インスピレーションを与えてくれ、演奏中にピアニストが目指す表現を叶える大きな支えになってくれるのです。

―――今後の展望について、教えてください。
将来の目標について話すのはとても難しくて、というのも一つの答えを見つけるのは容易ではありませんね。
もっと音楽を分かち合い、もっと多くのコンサートを開き…たくさん旅をしたいと考えていますが、その中でも特にやりたいことの一つは、より多くの録音を残すことです。
ショパン作品の中から、全てではないにせよ、まずはノクターン全曲を録音できたらとても嬉しいと思っています。
ショパンの作品ではない別のプロジェクトにも取り組みたいです。少しユニークなアイデアなのですが、「ショパンがテーマの中心にあるけれど、実際にはショパンの曲は含まれていないアルバム」を制作することです。たとえば、ラフマニノフの《ショパンの主題による変奏曲》のような作品等、ショパンから強く影響を受けた作曲家による多くの作品を取り上げたいと思っています。これが私の夢の一つです。

そして最大の夢はやはり、音楽を通じて人と心を通わせることです。
自分の好きなことを続け、音楽への愛を人々と分かち合い、つながりを築いていくこと。これこそが、私が将来本当にやりたいことであり、必ず実現させたいと心から願っています。
今日はヴロツワフ国立音楽フォーラムの大ホールでリハーサルを終えたところです。今(2025年10月31日時点)、目の前には素晴らしいSK-EXがあり、明日のリサイタルでこのピアノを演奏します。本当に楽しみですし、このような素晴らしい楽器を提供してくださったこと、心から感謝しています。いつか自分のShigeru Kawaiを所有できればとても嬉しいですね!

| 順位/賞 | 名前 | 国籍 |
|---|---|---|
| 第1位 | エリック・リウ(Eric Lu) | アメリカ |
| 第2位 | ケヴィン・チェン(Kevin Chen) | カナダ |
| 第3位 | ワン・ズートン(Zitong Wang) | 中国 |
| 第4位 | リュー・ティエンヤオ(Tianyou Lyu)/桑原 志織(Shiori Kuwahara) | 中国/日本 |
| 第5位 | ピオトル・アレクセヴィチ(Piotr Alexewicz)/ヴィンセント・オン(Vincent Ong) | ポーランド/マレーシア |
| 第6位 | ウィリアム・ヤン(William Yang) | アメリカ |
| 入選 | ダヴィド・フリクリ(David Khrikuli)/リ・ティエンヨウ(Tianyou Li)/進藤実優(Miyu Shindo) | ジョージア/中国/日本 |
| 特別賞 | 名前 | 国籍 |
|---|---|---|
| コンチェルト賞 | リュー・ティエンヤオ(Tianyou Lyu) | 中国 |
| マズルカ賞 | イェフダ・プロコポヴィチ(Yehuda Prokopowicz) | ポーランド |
| ポロネーズ賞 | リ・ティエンヨウ(Tianyou Li) | 中国 |
| ソナタ賞 | ワン・ズートン(Zitong Wang) | 中国 |
| バラード賞 | アダム・カルドゥンスキ(Adam Kaldunski) | ポーランド |
| 聴衆賞 | 名前 | 国籍 |
|---|---|---|
| 第1位 | ピオトル・アレクセヴィチ(Piotr Alexewicz) | ポーランド |
| 第2位 | ヴィンセント・オン(Vincent Ong) | マレーシア |
| 第3位 | リュー・ティエンヤオ(Tianyou Lyu) | 中国 |
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同じく第5位入賞のヴィンセント・オンさんの記事はこちらからご一読いただけます。
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「世界一のピアノづくり」を目指す当社が、2001年に発表したフルコンサートピアノのフラッグシップモデル。コンサートピアノとして要求される最高の表現力を実現するために、響板には十分に厳選した材料だけを使用し、原器工程と呼ぶ伝統的な手作り工程で生産。またShigeru Kawaiグランドピアノシリーズで採用した新素材を随所に取り入れた革新的なウルトラ・レスポンシブ・アクションIIが、高い連打性と安定したタッチ感を提供する。繊細で伸びやかなピアニッシモに加えて、力強い輪郭のはっきりした響きが特長。