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2020.03.10

Shigeru Kawai との華麗な共演 エフゲニ・ボジャノフ氏 インタビュー

エフゲニ・ボジャノフさんは、1984年ブルガリア生まれ。一躍注目を集めた2010年のショパン国際ピアノコンクール第4位はじめ、エリザベート王妃国際コンクール第2位、リヒテル国際ピアノコンクール最高位など、数々の主要国際コンクールで入賞を果たしました。
現在はドイツを拠点に活動、2019年からはエッセンのフォルクヴァング芸術大学の教授に就任し、後進の指導にもあたっています。
2019年秋にリリースした新譜では、Shigeru Kawaiを使用。また、2020年1〜2月に行われた、佐渡裕指揮 兵庫芸術文化センター管弦楽団と共演する全国ツアーでも、各地でShigeru Kawaiを演奏しました。
ツアーのため来日中のボジャノフさんに、Shigeru Kawaiの印象やピアノに求めることについてお話を伺いました。

◆ 佐渡裕さん、兵庫芸術文化センター管弦楽団とともに、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」をShigeru Kawaiで演奏されて、いかがでしたか?

佐渡裕さんとは知り合ってもう10年ほどですが、彼との演奏はいつもフレッシュで、共演することは大きな喜びです。
今回のツアーでは、各会場をShigeru Kawaiでまわりましたが、調律を担当してくれたShigeru Kawaiの担当調律師である大久保英質さんの仕事もすばらしく、楽器にもとても満足しました。全公演に大久保さんがついて回ってくれたことを光栄に思っています。

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2020年1月26日 とりぎん文化会館 梨花ホールでのコンサート

◆ 2019年秋のリサイタル(浜離宮朝日ホール)でもShigeru Kawaiを演奏されました。ソロと協奏曲で楽器に求めることは変わりますか?

そうですね。オーケストラとの共演で使用した楽器は、豊かな音が鳴らせると同時に、カンタービレな歌う表現もできるピアノでした。
一方リサイタルで弾いたのは、プレトニョフさんも愛用しているモデルで、より親密でやわらかい音を持つピアノです。新譜の録音にも、これを使用しています。こうした楽器により、繊細なピアニシモの表現を求めていくことは、私にとっても、そして聴衆にとってもおもしろいと思います。
カワイのピアノには、このように幅広いレンジに対応するピアノがあるところがすばらしいですね。そして、いずれのピアノもアクションがとても良い。歌う音と心地よいアクション、この両方が揃うことは重要ですが、実際に実現されているのは珍しいことです。

◆ リサイタルの日、このピアノは弾けば弾くほど「appetite(食欲)」が出るとおっしゃっていたのが印象的でした。

前述の、歌う音と心地よいアクションが両立しているピアノだからこその感想です。どちらかが欠けているピアノでも、優れたピアニストなら良い演奏をすることはできますが、どこかで「もう十分弾いた」と感じるもの。でも両方が揃ったすばらしいピアノを前にすると、もっと弾きたいとずっと感じていられるのです。

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◆ 調律師も重要な存在だと思いますが、普段、どんなことをリクエストしますか?

全ての会場で、良いバランスの響きを作ってほしいとお願いしています。私は調律師もアーティストだと思っています。音に関するイマジネーションの方向性が自分と同じだと嬉しいですね。

◆ 新譜に収録されているR.シュトラウスの歌曲「明日!」のピアノ編曲版など、甘く歌うようなピアノの音が印象的です。あの音を鳴らす秘訣はなんでしょうか?

それは、録音用のピアノの調律を担当した山本有宗さんに聞いてください(笑)。あとは、すべての感覚をバランスよく使って、求める音を鳴らしていくだけです。ピアノと調律師が完璧な場合は、あとは自分に多くのことを求めていくだけ。より良いコンディションで演奏に臨めるよう心がけます。ピアノだけに何かを求めるのは、つまらないことです。

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◆ ボジャノフさんの演奏は個性的ですが、そうした独自の考えを貫くことができるのはなぜでしょうか?

自分ができるようにしかできないし、その時に自分が好きなものが理想だと考えて進むしかないからです。もちろん、人から何かを言われ、大変な思いをすることもありますが、それで自分の演奏を変えることはありません。全ての人を満足させることなど、できませんから。人はいろいろな意見を持つし、それを話したがるものでしょう。それだけのことだと思っています。

― ありがとうございました。―

訊き手・文=高坂はる香

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