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2016.06.21

クロイツァー記念会 第40回例会《クロイツァー賞受賞者による演奏会》 植田克己会長と3人の受賞者(梅田智也 伊藤明子 福井敬介)に訊く

日本音楽史に残されたレオニード・クロイツァーの
功績を知る遺品特別展示も

数多くの日本人ピアニスト、指導者を育て、日本の音楽界の発展に大きく寄与した故レオニード・クロイツァー教授の功績を記念するクロイツァー記念会が、第40回例会として「クロイツァー賞受賞者による演奏会」を7月10日に東京文化会館小ホールで開催する。また同時にクロイツァー遺品展も会場ロビーで行う。

今回出演するのは、この春各大学院を修了し成績優秀と認められてクロイツァー賞を受賞した、東京藝大大学院の梅田智也、国立音大大学院の伊藤明子、武蔵野音大大学院の福井敬介の3名。演奏会で使用されるピアノは、カワイが誇る名器SK-EXである。
同記念会の現会長である東京藝大教授の植田克己氏と、3人の受賞者にお話を伺った。

──演奏会ではフルコンサートピアノSK-EXを使うそうですが、今まで本番で使われたことは?

梅田 昨年の5月に名古屋のカワイさんでリサイタルをさせていただきましたが、本当に整音が素晴らしい楽器でした。ピアノが私の要求に高いレヴェルで応えてくれ、私がこうしたいという意図をかなりのレヴェルで汲み取ってくれました。要求に対する反応がすごく高くて、非常に気持ち良く弾けました。

伊藤 私はまだ弾いたことはありませんが、弾いた経験のある友人が素晴らしいピアノだと言っていましたので、とても楽しみに思っています。

福井 私は昨年の12月にカワイ表参道の「パウゼ」でランチタイム・コンサートをやらせていただいて、その時に初めて弾かせていただきました。家でもカワイのピアノを使っていますし、友人が自宅にShigeru Kawaiを持っていてよく弾かせてもらっています。カワイのピアノは音がきれいで好きなのですが、カワイ表参道にあるSK-EXは特に素晴らしく、無駄な力を入れずに指を鍵盤に落とすだけで自分が欲しい音を出してくれました。弾き心地もすごく良くて、本当に幸せな時間をくれるピアノでした。ですから今度の演奏会でもまた弾けるということで、すごく楽しみにしています。

──植田会長はいかがですか?

植田 私は浜松や仙台での国際コンクールの審査で何度も聴いています。その都度用意される楽器によって響きが違いますが、その多様性も含めていろいろな音が聞こえるというのが面白いと思いました。独特の色彩を持っているというのがカワイのピアノの大きな特徴ですから、その良さはいつも分かるのですが、特に昨年の浜松の国際コンクールでは、1位の方も含め、予選でも本選でもたくさんの人がSK-EXを選んでいました。出された課題に対する楽器の反応も素晴らしく、各個人の音の違いが非常にクリアに聞こえてきてすごく面白いし、可能性のある楽器だなと強く思いました。仙台での審査でも同じように感じました。

──受賞者の方々にはどういう演奏を期待されていますか?

植田 受賞者として相応しい高いレヴェル、音楽としての品位を感じさせるような響き、それが聴き手に伝わるような演奏をまず期待したいと思います。そして何よりも、20代半ばの彼らの今の時点で感じることをフルに表現して欲しい。今まで20年くらいずっと積み重ねてきて、今の瞬間に花咲くものを聴きたい、薫りを嗅ぎたい、という気がします。今の自分を信じて、それぞれが選んだ曲に向けて、100%の力で突進してもらいたい。これから経験を重ねて感じることは変化していくだろうと思いますが、この日の出来が旬のものであるということを期待したいですね。

──演奏会に対しての皆さんの抱負をお聞かせください

梅田 受賞したことは本当に光栄であると同時に、身が引き締まる思いで、この偉大な賞に恥じないような演奏をしたいという思いがまずは大前提としてあります。その中でも自分が選んで演奏する約40分という時間は、今まで積み上げてきた自分の人生を、音楽を通してお客様に伝えることが一瞬でもできれば嬉しいですし、それを伝えるために日々人間的にもいろいろな経験をして、音楽に還元していきたいなと思います。

伊藤 ホールもピアノも素晴らしい演奏会に出演させていただけるということで、本当に素晴らしい賞をいただけて、演奏をしっかり頑張らなければと思っています。私が選んだのはあまり弾かれる機会のない曲で、自分としても挑戦の曲でもあります。ですから皆様に曲を知っていただくということと、自分なりに音楽を作り上げて、それを聴いていただく挑戦の機会、という風に考えておりますので、そこに全力で向かいたいと思っております。

福井 師事している福井直昭先生も受賞された賞を自分もいただけたことは、非常に光栄に思います。ですから賞に恥じない演奏をしなければと思っています。クラシック音楽という歴史のあるものを、昔の伝統を大事にしながらも、昔とは変わってきている今の時代のクラシック音楽のスタイルで今の人たちに伝えられるように、今の自分ができる演奏を精一杯やっていきたいと思っております。

──演奏会を楽しみにしております。ありがとうございました。

訊き手・文=横谷貴一

<コンサートインフォメーション>
クロイツァー記念会
第40回例会『クロイツァー賞受賞者による演奏会』
・出演:梅田智也 伊藤明子 福井敬介
・日時:2016年7月10日(日) 開演/午後2時00分(開場/午後1時15分)
・会場:東京文化会館 小ホール
※同時開催 レオニード・クロイツァー遺品展 (協力:国立音楽大学付属図書館)
(当日のみ、会場ロビーにて)

・主催:クロイツァー記念会 ・TEL:03-3379-2803
・協賛:(株)河合楽器製作所
・後援:東京藝術大学 国立音楽大学 武蔵野音楽大学

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「クロイツァー賞受賞者による演奏会」チラシ
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レオニード・クロイツァー教授記念碑前にて 左から
梅田智也さん、伊藤明子さん、福井敬介さん、植田克己会長
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座談会の様子

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